190806-07 愛媛・香川
- 光太郎 笠原

- 2020年1月7日
- 読了時間: 7分
愛媛に出張だ。山中商事さんの見学が目的。前泊で行って翌日朝から回るスケジュール、そうなれば当然ランニングの用意もしていく。
往路は陸路で行く。前日の15時過ぎの東京発の新幹線乗って、岡山まで行き、そっから予讃線の特急しおかぜへ乗り換えた。岡山駅はかなり駅弁が充実してるところ。子供の頃、父親の実家に帰省した時に、桃の形の容器に入ったバラ寿司をよく食べたなって思い出した。ちなみにそれは売り切れてたんで、別の海鮮系の幕の内弁当みたいなやつを選んで車中で食べた。これはこれで美味しかった。瀬戸大橋を渡って四国へ入った。瀬戸大橋ができて間もない頃、叔父さんに車で連れてきてもらい、その時四国に来た記憶があった。後で父親にそのこと話したら、その時は途中の島まで来て海水浴したそうで、四国までは渡ってなかったそうだ。実は四国行ったの初めてだったのかもしれない。橋渡る時間はちょうど日が落ちる時間帯、その時間帯の瀬戸内海はとてもよかった。内海ってすごく美しいんだなって。奥に陸地が見えて、間あいだに無数の小島が見える。大きなスケールの庭池を見ているような感覚だ。日が落ちる時間なんで、風景そのものはトワイライトの色彩で、それがノスタルジックな印象も与えてくれた。四国に入るとすぐに川崎重工の造船所が見える。これもまたキレイに見える。工場の照明で建物自体がライトアップされてる様子になってる。その頃には日も落ちてたんで、とても目に映える印象だった。なんだか幻想的な気分で電車旅を楽しめた。目的地の川之江まではトータルで5時間以上かかったけど、退屈はしなかった。川之江に着いたのは20時すぎ、雨の中、駅から5分くらい歩いて、今日の宿「セレクトイン四国中央」ってところにチェックインした。6,000円で朝食付きのプランにしたけど、なかなかいいホテルで、すごくよかった。もしまた来る機会があったら、もう一回ここにしてもいいなって思う。
朝4時半に起きて、予定通りランニングしてきた。宿があったのは愛媛県(四国中央市)だけど、5kmも行けば香川県(観音寺市)に入るっていう場所。都道府県ランが一気に2つも進められる絶好の立地だった。
スタートした時はまだ日の出前、外は真っ暗だ。海沿いを走る11号線ていう幹線道路に出たけど、そこも街灯があるところとないところがあって、前方も足元もよく見えないところが多い。しかも意外と車が多い、それも大型のトラックだ。あとで山中さんにその話をしたら、その11号線は日本一トラックの交通量が多い道路だそうで、「あんなところランニングしてるのは笠原さんくらいですよ」って笑われた。そんなわけでトラックの運転手はそこにランニングしている人がいるなんて想定せずにガンガン飛ばす。そしてこっちは前も下も見えないっていう状況。かなり怖い思いをしつつ走ってた。
県境あたりで日が昇って、徐々に明るくなってきた。この辺から自分の気分も晴れていく。予讃線の箕浦っていう無人駅があって、そこをひとまずの目標点にした。無人駅で電車も走ってない時間だから、当然何もなくて、ただ駅舎があるっていうだけ。とりあえず駅舎の入り口のところにシューズ置いて写真撮った。この写真にタイトルをつけるなら「廃墟と化した駅に残った謎のクツ」みたいなことになるだろう。なんだか不思議な一枚になった。

箕浦で折り返して、今来た道を戻るように進むと、道が明るくなってて前半とはまったく違う気分で走って行けた。県境の豊浜っていうところは道の駅になってて、近くに海水浴場もある。写真スポットなのか、木組みのコテージなんかもあるし、よくわかんない石碑みたいなものもある。山際の方でキレイに日が昇っていく様子が見えた。ここでも写真を何枚か撮った。日の出のランフォトは実に画になる。これはなかなかお気に入りの写真だ。

もう少し海に近いところでも写真撮ろうと、近づいたら岩壁にはありえないほどウジャウジャとフナムシがいた。あんまり見たことないから、はじめはゴギブリに見えて気持ち悪かった。近くのローソンに逃げ込んで、水分補給をし、心を落ち着けた。愛媛県内に戻り、さらにもうちょっと走ることにした。

川之江には川之江城がある。だいたいのお城がそうであるように、高台にあって街を見下ろすような場所に鎮座している。昨日の夜、ホテルからでもライトアップされてる様子はよく見えた。旅先で走る場合、やっぱりお城には行っちゃう習性があるようだ。行かずにいれなかった。下からでも見えるんだけど、そこにたどり着くまでが大変、ていうのがお城の特徴。そりゃすぐに辿り着いくような場所だったら、すぐに攻略されちゃう。坂道をぐるぐる回りながら昇ってようやく天守閣があるところまで辿り着いた。コンパクトなサイズだったけど、なかなか綺麗なお城。瀬戸内海もよく見渡せたし、川之江の街もよく見えた。おじいさんが独り、オリジナルの体操をしていたけど、他に人はいない。平日の5時すぎだから当然だろう。もちろん中には入れないんで、ここも写真だけ撮って降りてきた。そっからホテルまでは数百メートルの距離、雨も降り出したんでそこで引き上げた。
結局15kmの道のりになってた。旅先のランニング、しかも夏真っ盛りの時期としては、よく走った。自分が定めた都道府県ランのルールとして、「各県で5km以上走る」ってことを達成の目標としてるんだけど、今回の香川については微妙なところ。いやランキーパーの記録を見ると、4km強くらいの感じだ。この計画が成就したあと査察が入ったら、「香川県はグレーですね」とか言われそうだけど、査察は入らない。なんせ自分が決めたルールだし。今回のラン自体は15km超えてたし、ほぼほぼ5kmは走ってるんだから、自分基準でOKとしよう。それにしてもこんなに走れると思ってなかったんで、満足感がある。
戻ってきてから、ホテルで朝食食べた。ビジネスホテルの朝食としてはそれなりに充実してた。焼き魚も肉団子もあったし、ご飯にスクランブルエッグのせて、カレーかけて、オムカレーにして食べたのもなかなかよかった。
その日は8時半頃にホテルに山中さんに迎えに来てもらって、山中さんの本社はじめ各協力工場に連れ回してもらった。その辺のことは割愛。昼飯におごってもらったうどんはとっても美味しかった。四国中央市はすぐ隣が香川ってこともあって、うどん文化が根付いてる。昼から豪勢なところに連れてってもらうのは気が引けたから、大衆食堂的なうどん屋さんで、美味しいランチ食べられて何よりだ。
午後は松山市の方へ連れてってもらった。愛媛は東西にかなり広い。四国中央市から松山までで100km近くあるのに、さらにその西にも同じくらいの土地が広がってる。宇和島あたりまで行こうと思うとさらに100kmくらいあるんだから大変なもんだ。帰りは空路にしたんで、松山空港まで送ってもらった。そこで17時台に発の飛行機に乗って、19時前には羽田に着く予定だった。順調にランニングもできて、美味しい食事もできて、念願の工場見学もできて、いい滞在になったなと思ってたんだけど、最後に試練が待ってた。
機材のトラブルで当初予定した機体が使えないとのこと。「出発は4時間35分遅れて21時50分となります」っていう絶望的なアナウンスが、割とあっけらかんとされた。かなり途方にくれるお知らせで意気消沈。松山市内に戻って、松山城でも見てこようかって思ったりもしたけど、手持ちのお金が1,000円もなくて、Suikaのチャージも1,000円ちょいくらいしかない状況だったんで諦めた。
仕方なく空港内で待ちましたよ4時間35分。うどん食ったり、本読んだり、パソコン打ったり。普段21時過ぎには寝てる自分にとっては、後半相当辛い時間だったけど何とか耐えましたよ。今回の出張は、もちろん山中さんの見学っていう明確な理由あったけど、この都道府県ランと結びつけるっていう下心もあったから、若干公私混同なとこがあったのも確か。バチが当たったものと心に留めて反省の時間を過ごした感じだ。結局羽田に着いたのは11時過ぎで、家に着いたのは0時半頃。ANAから「食事代です」って3,000円もらえたのはせめてもの救いだった。
夏のクソ熱い時期でも、旅ランの最中は気持ちいい。何より暑い時期は、家の近くばかりでランニングしてても、正直テンション上がんないから、こういう刺激があると、モチベーションの持続につながってとてもいい。効率よく都道府県2つ増やせたし、全体としてはすごく収穫のある2日間になった。5月から本格的に遠征をはじめて、6・7月と1回ずつ旅行がてら行けてたけど、旅行する気分になれない8月にも堅実に進められた。それにしても空港の待ち時間は長かったなあ。
愛媛(四国中央市)・香川(観音寺市) 距離15.01km 時間1:14:27 ペース4:58 (8/7 22,102歩)



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