230312-0319 神奈川・東京
- 光太郎 笠原
- 2023年3月26日
- 読了時間: 8分
更新日:2023年5月31日
3月12日に地元小田原の尊徳マラソンに出場した。

ハーフの大会。4年前に参加したことがあって、それ以来の出場になった。結果は1時間20分台でのゴール。約1,000人の出場者中25位の好成績だ。年代別では10位。8位までが入賞で、表彰もあったからそれを逃したことだけが残念。とはいえ、ハーフでの自己ベストは大きく更新できたし、十分満足できる結果だ。
思えばちょうど一年前のこの週は、はじめての100kmウルトラマラソンに出場した日。
「長い距離を走る」っていう意味では同じだけど、感覚としては別競技の大会だ。ハーフの大会に出たのは久々だった。フルに比べると、こんなにもペースに違いがあるのかと驚きがある。ずっとダッシュしてる気分だ。ラップはキロ3分50秒くらい。息が切れるし、給水がままならない。普段は応援に手を振ってこたえるくらいの余裕あるけど、それもできなかった。それで21km走れたんだから、それはそれで褒められたもんだろう。

そんなことが前週にあった上で、3月19日に出場した板橋シティマラソン。
去年の年末、CBランニング部の集まりで「みんなで同じレースに走ろう」と盛り上がり、揃って出ることにした大会。
自分の他に、村田、石田、塚越、三村がエントリー。村田欠場となるものの、4人で出場できた。
レース前から連絡取り合い、石田さん、塚越さんと3人でスタートまでの時間を過ごした。
もともと出たことある大会で、勝手がわかっていることに加え、仲間と一緒だったから、いつも以上にリラックスしてウォームアップできる。
石田さんに今日のレースプランを聞かれた。
普段そういう事はきちんと考えずにのぞむ。考えたところでその通りにいくことは少ないからだ。ただ、あらためて聞かれたんで考えてみた。「前半は、キロ4分ペースで行く(普段よりちょっと早め)」「後半は、できるところまでそのペースを維持して、あとは粘る」ってことに定めた。あとで思えばレース前にプランを定めて、公言できたのはよかったのかもしれない。結果的には、ほぼほぼそのプランに沿って走れた。
スタート直後の混雑は予想以上だった。かなり道幅が狭いから、他のランナーとぶつからずに走るのがとても難しい。同じ位置でスタートした石田さんと一緒に走るつもりもあったけど、前を抜いていくことに必死で、お互いの位置を気にすることもできない。おまけに前日の雨で水たまりがあったりするんで、それを避けるために右へ左へ蛇行して走る。ようやく前が開けて落ち着いて走れるようになったところに石田さんもいた。戦禍を潜り抜けて友に再開した感じだ。ただ結局石田さんとは並走せず、ペースを上げて前につけていった。
新荒川大橋を越えて、岩渕の水門を通る頃(3〜4km地点)には、だいぶバラけだして、思い思いのペースで走れるようになってた。
前回この大会に出場した時と今回とで大きく違うのが、このコースを日々の練習で走るようになったこと。コースのはじめから終わりまで、距離感がばっちりわかる。普段荒川を走る場合、橋から橋までを1セクションとして考える。次の橋までにかかる労力がだいたい計算に入るんで、先が見通せて精神的に余裕が持てる。コースを知っている強みが出せるレースだ。
5km過ぎてからペースを確認したら、キロ4分ペースを上回るラップだった。ちょっと早すぎ。
少し落とそうという意識は持つけれど、加減が難しくて変えられない。気分的には無理せず走れてる感覚だったから、そのままでよしとする。もしかしたら前週のハーフでハイラップを経験していたことが生きていたのかも。
10kmを過ぎ、河川敷グラウンドでフリスビーをしているグループを横目に走る。「上手だな」なんて感情を持ってたから、やっぱりゆとりがあったんだろう。15kmで堀切の駅前のアップダウンがある。このレースでは珍しい起伏のある場所だ。平板なコースでは、こういうところもアクセントになっていい。余裕持ちつつ走ってはいるものの、一向にペースは落ちてこない。オーバーペースとは思いつつも、今日のプラン通り遂行することにする。
「つっこむだけつっこんで、あとは持つかどうかやってみよう。」
だって気分よく走れているから。
平井大橋を過ぎて、小松川の方へ向かう。千本桜の入り口までは来たんで様子を見たけど、まだつぼみが多かった。この大会でその桜まで見れると最高なんだけどな。それには、ちょっと距離が足りなくて、ちょっと季節が早い。ちょうどそこで折り返しだ。
折り返し直後は反対側のコースをずっと見ていた。ワンウェイの往復コースだから、仲間と顔合わすタイミングはここでしかない。
すぐに三村さんの姿を確認。手あげて声かけたら「ありがとうございます!」と応じてくれた。石田さんもその後見つけた。いつも通り安定したフォームに見える。残念ながら塚越さんは見つけられなかったけど、仲間の姿が見れたのは発奮材料になる。「お互い頑張ろう」もあるし、「抜かされるものか」もある。
さて後半だ。ここからはプランもなにもなく、いかにペースを保てるかっていうだけ。
しんどい展開は目に見えているけど、考え方はシンプルだから潔く臨める。25kmまではまったく前半と変わらず進んでいけた。
千住新橋のあたりで30kmを迎える。その前後からやっぱりペースを保つのが難しくなってきた。給食でバナナを半分食べるけど、それじゃ補えない。個包装のお菓子は取って開けるほどの余裕がない。ただここでもコースを把握していることの強みが出た。頭の中で次の橋までの距離を測って、どのくらいの労力がかかるか考えてみる。「それならこのペースのまま行けそう」とできるだけ楽観的に考える。そして橋を越えると、また次の橋までのことを考える。その繰り返しで、着実に進んでいけた。
二度目の岩淵水門が見えると、ゴールまでの道筋も見えてくる。そのあたりは精神的な余裕が出たんで、一旦落ちたペースもまたあげられてるみたいだ。つくづくマラソンはメンタルのスポーツだなって思う。
ゴールが近づくとそれまで皆無だった応援が急に多くなってくる。これは毎回感じるこの大会のいい特徴。河川敷を行って帰ってだけのコースだけど、こういう応援が最終盤であると、勇気づけられるもんだ。
そして今日最大の発奮要因は、ゴール直前でしおりちゃんが応援に来てくれてたこと。最後はそれを楽しみに走った。
100m手前くらいで姿を確認できたんで、手振って合図。すれ違うときは「がんばれ〜」って声かけてくれたから「ありがとう」で返した。
うれしいテンションのままゴールまで到達。素晴らしいレースの終え方ができた。
タイム (ネット)2:52:28 (グロス)2:53:00
自己ベストを2分更新。ここ半年内で三度目の更新だ。
レース終わって最初の感想は「ああ、いい天気だな」
ホントに雲一つない気持ちのいい3月の日差しを感じた。
本日天気晴朗なれども気温低し、おまけに風もなし。
走るのにはもってこいの条件だったし、何より走った後これ以上ないくらいに気持ちいい陽気だ。いい結果が出たことも相まって、すごくいい気分だった。
自分がゴールした直後に、三村さんがゴール。4年ぶりのフルマラソンで自己ベストを更新したとのこと。やっぱり彼は本物のアスリートで、大会に出るとなるとしっかりトレーニングして、しっかり本番で結果を出す。さすがだなと思う。
本人が「完全に失敗レースでした」と言っていたのは、途中でトイレに行く羽目になったため。それでいてこのタイムでまとめているんだから、まともに走ってたら自分を上回っていただろう。
「やっぱりフルはキツいですね」と言うものの、レースの感想を一番しゃべって、一番楽しそうにしていたのは彼だった。ナイスガイだ。
塚越さんも自己ベスト、そしてはじめてのサブ3達成だ。
前回一緒になった京都マラソンに続き、今回の練習ランキングでも断トツで全体トップの走行量だった。周りからすると、そのことこそがスゴいこと。ただ彼の中での価値観は、「サブ3達成」の方が重きを置くようだ。「念願が叶いました!」といつになくうれしそうだった。マラソンは、自分の意思で勝手に走って、勝手に達成感を得るスポーツ。彼の中でより達成感を得られる事実が「サブ3達成」なら、それを祝福しよう。いずれにしても彼ほど努力している人はいないんだから、この結果はその賜物。努力が実る瞬間はすごく美しい。そこに立ちあえたのはうれしかった。
石田さんは、レース後連絡が取れず心配した。再会したあとで聞いたら、後半貧血気味で苦しんでいたとのこと。ゴールの後、動けなくなって安静にしていたようだった。そんな中で、粘ってのサブ3達成だったようだ。これもまたスゴいことだ。
CBランニング部で集まるようになって数年が経ったけど、実は彼と一緒のレースで走れたのは今回が初。そこでお互い満足いく結果出せたのは感慨深い。
参加した仲間のうち3人が自己ベスト更新、そして全員がサブ3を達成。みんな素晴らしいレースをしたと思う。4人で集まって撮影。記念に残る一枚になりそうだ。

いい結果が出た。はじめてみんなで集まって感動も共有できた。うれしい応援もあった。
とてもとてもメモリアルな大会になったと思う。やっぱりこういう一日が最高の陽気だと気持ちいいな。晴れがましく会場を後にできた。
地方への遠征はもちろん好きだけど、地元の大会に出ると、仲間との喜びの共有という別の嬉しさを経験できる。また一緒に走りたいなと強く思う。
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