211229 東京・埼玉
- 光太郎 笠原

- 2021年12月31日
- 読了時間: 6分
これまでの自分のランニングキャリアで最長のロングランに挑戦した。
年内最終の出勤日を前日に終えた年末年始休暇の初日。天気は晴れているけど、やや雲もある。最低気温は0℃台で、最高気温は10℃前後。身体のコンディションは最高だ。
朝4時に起きて、納豆ご飯の朝食を食べる。携帯していったのは、スポドリのペットボトル2本と、エナジーバー1本。夜光アームバンドと、日光対策のサングラス、帽子のどちらも持っていく。それだけ長い時間のランになる。
スタートしたのは、朝5時。夜明けまでの2時間弱は、暗い中を進む。特に荒川の土手沿いは街灯の明かりも届かず。真っ暗だ。音楽が心強い友になる。
ここ数日で新しいアルバムを5つダウンロードした。
・The howlin' dogs「The Howlin' dogs」
・KUZIRA「Superspin」
・Muramasa「Lifull」「World」
・HOTSQUALL「Yuriah」
前の2つは、今年リリースされたもの、後の3つは以前リリースされたものを最近見つけたものだ。
新しく好きなアーティストが増えるのは、とても嬉しいことだ。どうしても好みが凝り固まって、同じ曲ばかりを聞く傾向が年々強くなる。好きな曲をアップデートしていかないといけない。そのためには新しいものを探索する努力が必要だ。この短い期間にアルバムごとダウンロードするものが複数あるのは、とても珍しいこと。今日も結局この5つのアルバムだけで、長いランニングを通すことができた。すべてお気に入りだけど、今んとこのフェイバリットは、The howlin' dogs「Highway Night」かな。若いバンドなんだけど、古き良きパンクバンドの香りがして、とてもいい。今後もいい曲を作っていって欲しい。
戸田橋から、一旦荒川に別れを告げ、中山道を北上する。
気のままのロングランとはいえ、一応のゴールを決めておいた方がスムーズに走れる。さいたまスーパーアリーナへ行くことにした。走るのは初めてだったと思うけど、北浦和のあたりで見覚えのある風景に出くわした。2年前、さいたま国際マラソンの応援に来た時、そのあたりで声援を送ったところだ。
思えば、その後、CBランニングの集まりがはじまった。そして、ちょうど1年前の今日、村田さん、石田さんと初めての練習会をした。それも大宮のヘルシーロードだったな。年末は埼玉に縁があるみたいだ。
さいたまスーパーアリーナまでは、27km強。何があるってことでもないけど、一応記念撮影だけはしておく。ここで今日初めての休憩をする。近くのコンビニに入り、あんマーガリンのコッペパンを買って食べる。持っていったマスクの紐が切れるアクシデントがあったんで、仕方なくマスクも買った。気温はまだ低いまま。手がかじかんで、何をするにも手まどう。それでもここからは進路を南と西に変える。日も昇ってきたし、状況は好転するはずだ。

コロナ禍の一年ではあったけど、年末になってようやく日常生活も好転しているような印象がある。
CBランニング部の練習会が2回できた。これがまずよかった。ランナー仲間と一緒に走ること、情報交換することで、モチベーションを高められた。
10月から3ヶ月連続で遠征フルマラソンに行けた。金沢・岐阜・宮崎。どれも思い出深い旅行になった。
会社では、慕ってもらってた下野さんが退職し、清水さんが産休に入るっていう寂しい別れがあった。
その一方で、西田さん主催のゲーム会のイベントが定期的にあって、それがとても日々の生活を盛り上げてくれた。大橋さんとか、若手の女性社員とかと一緒にワイワイ言いながら人狼ゲームで遊んだ。ウキウキする気持ちを持てたのは久しぶりのこと。あの集まりも日々の支えになった一つだ。

さて、ロングランは秋ヶ瀬公園から再び荒川ぞいを走る。この時点で約35km。羽根倉橋のはるか先には富士山が見える。埼玉県からも見えるもんなんだな。あとで調べるとこの先は「富士見市」だそうだ。とても象徴的な風景見れてよかった。そこまでで5:40弱のラップ。序盤は向かい風もあったし、ロングランで体力温存してたこともあったんで、ペースをセーブしてた。まだまだ体力に余力がある。少しペース上げて、フルを走り切る時点ではサブ4を切ろう、って気持ちで後半に臨んだ。
5分10秒台まですんなりペースを上げられる。想定通り気温も上がって、身体がほぐれてくる。しらばく行くと彩湖に当たる。ロングランをしている最中、知ってるコースにつながると嬉しいもんだ。
そこを過ぎたあたりで42.195kmを通過。たしか3時間53分台だったと思う。
ここで二度目の休憩。荒川の土手の上で、持ってきたエナジーバーをかじりながら、2本目のペットボトルを開けて飲んだ。Amazonで安く売ってたスポドリで、今日初めて飲んだけど、意外とおいしい。うれしい驚きだ。箱買いしたんで、これからしばらく楽しめそうだ。
戸田の競艇場を通り越して、戸田橋まで戻ってきた。ここからは往路で通った道を折り返しで進む。まだ15kmくらいあるけど、先が見えるんで、気持ちはラクだ。往路は右岸、復路は左岸を通る。荒川は幅が広いから、岸を変えるだけで、まったく違う印象で走れる。いかに新鮮な気持ちを持ち続けて、飽きずに走るか。長くランをする上でとても大切な工夫だ。
2021年もずいぶん長く走った。ちょうどこのランで7,000kmを走破したことになる。
7,000kmってどれくらいか。東京から各国の首都への直線距離を調べてみた。一番近かったのは、トルクメニスタンのアシガバットだそうだ。うーん、よくわからないぞ。すごいんだか、すごくないんだか。地図で調べると、西アジアの一角。もう少し先にはカスピ海があって、その先には東欧があるってあたりだ。じゃあ、来年の目標はヨーロッパまで達することかな。あんまり達成しても実感なさそうだけど。
それにしても、毎年走行距離が長くなってる。本当にありがたいことに、まったくケガをしない。むしろ走るたびに丈夫になって、どんどん負担がラクになってる感もある。この丈夫さをキープしていきたい。

赤羽岩淵の新荒川大橋まで戻ってきた。
近くのセブンイレブンで豚まん買って、三度目の休憩。この時点で52kmに達してる。ここから一番近い帰り方は、北本通りと明治通りで行くことなんだけど、「まだ走れる」って感覚があったんで、遠回りになる荒川沿いのコースを取ることにした。
後半のこのラクさはなんだ。おかしいぞ、これまで50km以上走ってるはずなのに、まったく疲労感がない。そしてむしろペースが上がってる。「ランナーズハイ」ってこともない。気持ちはいたって普通だし、コントロールできてる。それでも確実にペースは上がる。ここにきて5分台前半になる。
扇大橋で荒川に別れを告げ、日暮里舎人ライナー沿いの道を進む。
自分で書くのも憚られるけど、圧巻だったのはこの後のラップだ。
59~60kmのところで、5:06のラップになる。「これなら4分台も行ける」とさらに上げた60~61kmが、5:03。「もっと上げよう」と、さらにさらにスピード出した最後の61~62kmが、なんと4:24! 4:24って、もうちょいでサブ3じゃん。どんだけ体力残ってるんだよ、って自己満足のあきれ笑いが出るほどだった。
11時過ぎに家に戻ってきた。62.43kmのランニング。5時間39分37秒、平均ラップ5:26だった。
よく走った。でも、まったく「出し切った」って感じがない。あと10~20kmくらいは問題なく走れそう。拍子抜けするほど、身体の変調はなく、大丈夫だ。すげえな、自分の体力。このロングランは、とてもとても大きな自信をもたらせてくれた。
ランの後は、近くのインド料理屋「世話」で、カレーとチーズナンとケバブとチキンティッカ食べた。幸せな食事が摂れた。62km走った後のご飯がどんなにおいしいか、走ったものにしか味わえない至福の味だ。

一年の総決算的なロングランだったけど、これでウルトラマラソンへの興味と自信が一気に高まった。来年には挑戦してみたい。先への目標も生まれて、とてもポジティブな締めくくりができた。



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