211212 宮崎
- 光太郎 笠原
- 2021年12月19日
- 読了時間: 9分
更新日:2022年1月4日
まず、11月の岐阜から、これまでの出来事について。
11月の大会で見かけたパイロットインキの土本さんが来社したんで、その時の話をした。いまの担当は安井くんていう若い子で、土本さんはサポート的な立場で来たにも関わらず、延々と自分と二人でランニング話で盛り上がった。安井くんには悪いことしたかも。
その時知ったんだけど、土本さんはすごいランナー。今から3年前の62歳の時、サブ3を出し、年齢別の全国ランキングで1位になったそうだ。「ランナーズ」にも記事が載ったそうで、ネットで調べたらその記事が出てきた。確かにすごい人だ。
http://news.line.me/issue/oa-runnet/80ddff39232c
岐阜の大会の時は4時間を少し切るくらいの記録。本人としては不本意だったようだ。
「ここ2~3年で一気に落ちてしもうたんです。」とのこと。
それまでは30年以上サブ3をキープしていたそうだ。ここ最近もむしろ練習量は増やしているのに、タイムはともなわないそうだ。加齢ってのは抗い難いんだなって思う。自分もできる限りサブ3をキープしていたい。
12月の初めには、CBランニング部の練習会をした。村田さんだけ来れなかったものの、あとは全員集合。田島さんも初めて顔出してくれた。前回と同じ、笹目橋と戸田橋の間を走る。
ビルドアップ走にした。はじめの周回は田島さんも含めて全員でウォームアップ走。その後、男子だけで徐々にペース上げていく。5:00ペースでスタートし、最終的にはサブ3ペースまで上げた。いい練習負荷がかけられる。特に意識している訳ではないけど、競争意欲みたいなものも高まる感じがある。石田さんあたりが、より高いレベルの目標を口に出してくれるおかげもあるんだろう。のんびりジョグしてる場合じゃないって気持ちになる。
練習の後は、浮間船渡の駅近のガード下にある中華屋で、メシ食いながら、今後のレースでの健闘を交わしあった。

宮崎へ行ったのは12月11日。一泊二日の旅行だ。
飛行機で羽田から移動する。前回羽田に来たのは、去年の11月に山口へ行った時。その時はすごく人が少ない印象だったけど、今回は人手が多い。コロナ感染者は小康状態が続き、だいぶ人の動きが活発になっているようだ。それを実感する。
飛行機の機内で、CAさんと乗客の会話の声が聞こえる。「こんなに人がいて、びっくりです!」って。見たところランナーもたくさんいそうだ。自分と同じ目的で宮崎行く人も多いんだろう。
宮崎着いて、一歩外へ出た第一印象は「暑い!」ってこと。「あったかい」通り越して、「暑い」だ。気温が20℃くらいある。日差しが強くて、空気が夏を思わせる。ブーゲンビリアの花が飾られていて、パームツリーが植わってる。まるで南国だ。

初日は、まず宮崎を見て回る。一番の楽しみはやっぱりグルメ。
伊波さんが宮崎によく出張行ってたんで、おススメのお店を聞いた。自分が食べログで調べてたお店とも合致してたんで、迷いなくメニューとお店が決定。昼はうどん。夜はチキン南蛮だ。
うどんは「ふくや」で食べた。そこのチーズカレーうどんを写真で見て、ひとめぼれ。もちろんそれを頼んだ。カレーが濃厚。チーズたっぷり。どっちも超好みだ。九州のうどんは柔らかい。それがよくスープとからんで、とてもいい。大満足だ。

夜のチキン南蛮は「キッチンおぐら」だ。本店の方は混んでて入れなかったんで、宿の近くの「ファミリーおぐら」っていう系列店にした。
チキンがまずおいしい。むね肉らしいけど、淡白な感じがしなくて、しっかり肉に味がある。そして衣にしみこんだ甘酢だれ。これがいい。めちゃめちゃご飯がすすむやつだ。決め手がたっぷりかかったタルタルソース。卵の黄身の触感がしっかり残った本物のタルタルだ。タルタル自体大好きだけど、普段食べるのはスーパーの量産品。本物食べると、あらためて「うまい!」ってうなる感じだ。ライスを大盛りでお願いしたら、1合はあろうかっていうほどの量で出てきた。こちとら、糖質を欲してる身体なんで、のぞむところ。ひたすら飯をかっこんで平らげた。おいしかったな。

宿は「グリーンリッチホテル」。すぐそばに大淀川が流れていて、橘橋がある。その川沿いに橘公園があって、川沿いはテラスになっている。日中はその公園で、本を読んで過ごし、夕方にはちょこっとテラスコースを走ってみたりした。遠征マラソンで、前日に走るには初めてだったかも。1kmしか走ってないけど、気分が上がって、すごくよかった。気持ちいいコースだったって事もある。今後は前日ランを慣習にしていこうかなって思う。
前日の夜は理想的に過ごせた。早めに就寝して、寝つきも良かった。いつも通り朝4時には目が覚めてたんで、DAZNのサッカー中継でリヴァプール戦を見てから始動できた。朝食はホテルのバイキング。食べ過ぎないように注意したけど、スティック状のさつまいもに砂糖がコーティングされた大学いもみたいなデザートがおいしくて、それを食べすぎたかも。レース前もレース中も、若干体が重かった。

バスでスタート会場まで移動することにした。この選択がちょっと失敗。宿の近くの「橘町1丁目」のバス停に行ったら、ランナーがたくさんいたんで、自分もそれに乗っていくことに。ただここを通るバスが、宮崎駅発になるんで、この停留所に来る頃には満員で入る隙間がない。何本もバスが素通りし、30分後くらいにキツキツのバスの運転席脇になんとか入れてもらった。ただ不幸中の幸いだったのは、バスが今日走るコースに沿って会場まで行くルートで、それを運転席の近くからずっと見ていけたこと。地図上でしか見れなかったコースを実際に目で見れるのはいいことだ。思いがけず試走できた感じだ。
思わぬ時間ロスがあったんで、会場着いてからは余裕なかった。荷物預け、着替え、準備してスタート整列に並ぶと、すでに10分前くらいになってた。あんまりレース前に待たされるのは好きじゃないから、このスケジュールもかえって良かったかも。無事にスタートできた。

第35回青島太平洋マラソン。
歴史ある大会だ。ランニング仲間に「この大会に出る」って話をしたら、認知度が高い。時間と距離とお金をかけて大会に参加してるんだから、満喫していこう。
今日のレースプラン。「前半は4:20で行く」「後半余裕があったら4:10にあげる」「無理にサブ3は狙わない」結果的には、このプランを遂行できたんだけど、その間には色々な心の動きがあった。
前半から目につくのが道路の中央分離帯にあるパームツリーだ。今日一日で何本みたことか。これだけなら文句なく南国のリゾート的な開放的な雰囲気なんだけど、もっと印象的なのは、その周りに延々と広がる田園風景とのコントラストだ。稲穂が実る季節なら、もっと暖かくて陽気な印象だろうけど、今は冬、掘り返された土の色が一面に広がっている。この融合が宮崎独特の風景なんだろうなって感じがする。少なくとも自分は初めて見る景色だ。
バスで通った道を行く。ゆるいけど、すごく長い坂が続く。長い上りもあれば、長い下りもある。正確には覚えてないけど、1kmくらい続いていたかもしれない。そこを往復で走る。長い上りでは、息が切れる。ペースも落ちるんで、ネガティブな気持ちがよぎる。長い下りは、ストライドを伸ばしてスピードに乗る。ペースも上がって気持ちはポジティブだ。傾斜があるから、身体への負担が変わる。わかっちゃいる。わかっちゃいるけど、気持ちは正直だ。コースにあわせて、正に浮き沈みしながら、進む。
10kmまでは、ちょうど4:20ペース。その後の市街地を走るところでちょこっとペースがあがり、20kmでは、4:20を少し切る。前日の宿の橘橋あたりがちょうど中間点。ここで時計を見ると、1時間30分を15秒ほど切っている。そうなると少しサブ3を意識する。無理には狙わないけど、狙えるなら狙う。ここまでは狙えるラップだ。チャレンジはしてみよう。
20~30kmが一番真剣に走ったパートだ。4:00台で走る。順調に30kmまでは行って、スタート会場のサンマリンスタジアムが見えてくる。そこでラップを見ると、4:20台に落ちている。おかしいなと思いつつ、少し上げたつもりで走った次の1kmも4:20台後半だ。この辺ですでにお釣りがないことに気づかされた。ペース落ちた原因のひとつは暑さだろう。最高気温で20℃越える暑さで、身体が消耗したんだろうと思う。ものすごく厳しい訳ではないけど、これ以上あげるのは無理。そう判断し「これ以上は落ちないようにしよう」ってモードに切り替える。そう、今日のプランは「無理をしない」こと。
サンマリンスタジアムを過ぎ、そのまま海沿いに南下。このあたりが「トロピカルロード」だ。ランナーのために整備された道。広くはないけど、今日は専有できているから、ゆったり走れる。海風に吹かれて気持ちよく進む。たどり着いた最南端が青島だ。陸続きになった小島で。周りでサーフィンをやってる人も多い。
初めて来たけど既視感がある。わが地元、神奈川県の湘南海岸と江ノ島にそっくりだ。それを感じると急に親近感を持つ。いいところだ。折り返すとさらにビーチに近いところを走る。こんだけ海岸近いところを走るのは初めてだ。その感覚が楽しい。
「トロピカルロード」は公園内にあるんで、道路規制が少ない。ボランティアの中高生がたくさんいて、途切れることなく声援を送ってくれる。手を振って応えると、こっちも気分が昂まる。向こうもリアクションがあると、さらに声を大きくしてくれる。相乗効果でさらに前向きになれる。
大規模なマラソン大会が再開されて一番うれしいのは、こういう瞬間だ。声援とか、ふれあいとかそういったものを感じると、わざわざ遠方はるばる訪れて、走った甲斐が出てくる。
そんな訳で最終盤も気分よく走れた。サブ3ペースまでは上げられないけど、そんなに落ちてない。リラックスしていた分、むしろいい走りができたんじゃないかとすら思う。プラン完遂だ。
今回のタイムは、グロスで3:02:49。
3:00台か3:01台なら、サブ3逃したことで、多少は悔いが出たかもしれないけど、3:02台の後半だから、それはない。そして途中で「チャレンジ」した上での、記録不達成だから、より諦めがつく。今日のコンディションでは、自分には難しかったんだと納得できる。
レースさえ終われば、20℃越えのポカポカ陽気が気持ちいい。完走記念の「マンゴーメロンパン」と、お弁当を会場内で食べて、クールダウンした。
その日のうちに宮崎から東京へ戻った。宮崎空港は帰りもすごく混んでいた。それも見越して早めに空港に入ってたんで、色々店回った。食堂が充実してて、宮崎牛の牛丼食べた。羽田に着いたのは19時前。お弁当と牛丼食べたのに、めっちゃハラ減ってた。フルの後の食欲のバイオリズムは自分でもまったくコントロールできない。「富士そば」でそば食ってから家帰った。
走り終えた後、身体に変調はまったくない。疲労感があるだけで、イタいところは皆無。それが一番いいところ。明日からもまた元気に走れる(実際、次の日の朝は10km走った)。「よくやったな」と思えるいい大会だった。
これで2021年のフルは全て終了。また年が明ければ大会が続く。ひとつひとつ目標を立て、なおざりにせず、丁寧に臨んでいきたい。
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