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201103 山口

  • 執筆者の写真: 光太郎 笠原
    光太郎 笠原
  • 2020年11月23日
  • 読了時間: 9分

山口トライアルマラソン、自分の大失態で最悪の想い出になるレースになってしまった。

コースを間違えちゃって、途中棄権扱い。しかも41km超走っての棄権なんで、より悔いが残る内容だ。まあとりあえず振り返っていく。


11月2日

会社は公休にして前泊で山口入り。今回は空路での移動、羽田空港に来たのは2月以来だ。ちょうどコロナ騒ぎが慌ただしくなる直前だったんで、その頃とは全く違う印象。「Go To キャンペーン」はやってるけど、まだ日常は戻ってない感じだろう。

このランニング旅、初めての試みとしてレンタカーを借りての移動をすることにした。結果的にこれは大正解。前日は空港の西側へ行き、当日は空港の東側に行くスケジュール。車での移動に適した場所だったこともあって、とっても便利だ。

前日は主に観光して回った。下関に行って、ご飯食べて、ちょこっと観光スポット回って。平日とは言え、それなりに観光客は居た。唐戸港のそばに、「カモンワーフ」っていう商業施設がある。食べ物屋さんもあるし、お土産屋さんもある。唐戸の市場にも入れて海産物も楽しめる。そこが街の中心地的なところなんで、そこを起点に見て回った。

フェリーで巌流島に行った。「巌流島」って名前を聞くだけでもワクワクする響きがある。関門海峡に浮かぶ小さな島で、下関から10分もかからず行ける。この旅行に行く前まで、どこにあるのかさえ把握してなかったけど、そんなに近いならと行ってみることにした。着いて歩いて回っても、ほんの30分くらいの広さ。武蔵・小次郎のモニュメントがあって、そこが島観光のハイライトスポットだ。吉川英治の小説も読んだし、大河ドラマも見てたし、「バガボンド」も読んでた。そこへ行けたっていう事実が自分にとっては貴重な経験になった。かわいかったのは、島に着くと野生のタヌキがお出迎えしてくれたこと。「ようこそ巌流島へ」っていうゲートの前にタヌキがいたんで写真撮った。東京に戻ったら「巌流島にはタヌキがおってさ」って話をみんなにしよう。


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下関では「ふくの関」っていう店で、ふぐとクジラを食った。夕飯は宇部の宿の近くで「長崎ちゃんめん」。当日の朝もホテルのバイキングで栄養充填。レース前の糖質チャージはバッチリ。摂らなければ摂らないで、問題なく走れるけど、やっぱり食べることの喜びは変えがたいものがある。フルの前後だけの楽しみとして食事を満喫した。


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11月3日


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当日は車で現地まで移動。この感じも初めての経験。カーナビがあるからストレスなく行ける。

山口きらら博記念公園ていうのが会場。800人規模の大会でゴミゴミしていない。駐車場が広くて、そこに車停めてのんびりレースまでの時間を過ごせる。受付だけ済ませて、あとは車中でレースを待った。気候的なコンディションは、いいといえばいい。雲ひとつない晴天。気温は朝の段階で15℃くらい、昼には20℃前後まであがった。少し気温高すぎ、日差し強すぎってところだろう。

場所が海沿いってこともあって、風が強い。海沿いに北へ向かって走るところでは、かなりの向かい風になる。逆にそこを折り返して戻ってくるときには追い風に変わる。気温が高い分、風が体を冷やしてくれるんで、吹くこと自体は歓迎だ。それでも強すぎると、推進力が減るんでマイナスになる。なかなかちょうどいいって訳にもいかないところだ。

9時半スタート。スタートの直前にMCの人からサプライズでゲストランナーの紹介があった。川内優輝だ。大会で見かけたことは何度かあったけど、これくらいの小規模の大会で間近で見るのは初めて。今回の周回コースでは、当然走ってるところでも遭遇できる。2回追い抜かされた。トップランナーに抜かされることってなかなかできることじゃない。「こんなペースで走ってんだな」ってのを体感できたのはいい経験だった。

今日はハナから流れが悪かった。まずウェーブスタート形式のこと。申告タイム順に1分刻みでスタートしていくんだけど、自分が申告タイムを間違えていたようで、5組目っていうかなり後方からのスタート。そこでまず気分が乗っていかなかった。そしてスタートすると、アップルウォッチの不調があった。たまにあるんだけど、一回腕に巻いた後、「外れた」って認識されちゃうことがある。そうすると、アプリは動いてるんだけど、いちいちロック解かないと見れないって状況になる。レース中ロックなんて解いていられないから、結局まったくラップは見れないまま走ってた。

それでも前半はそれなりに順調。後でラップ確認したら、はじめの5kmはサブ3ペースで走れてたようだ。

1周ちょうど5km。コースは悪くなかった。広大な公園なんで、風景変わって色々楽しめる。庭園ゾーン、遊具ゾーン、海岸ゾーン、広場ゾーン、そんな感じで進んでいく。景色を見てて飽きることはなかった。ほとんど観客がいないとはいえ、同じところで熱心に応援してくれる人がちょこっといる。3km過ぎのところにいた小太りの外国人のおじさんは、ずっと太鼓を鳴らして声援送ってくれてた。「いいよ~」とか「がんばって~」とか「ナイスラン~」とか、バリエーションもあって、通るたびに楽しみだった。

はじめの2周は音楽なしで走り、3周目から音楽聞いた。これは事前に考えていた流れ。こうやって変化をつけていけば、多少でもあきがこないかなって。この試みは成功だったかなって思う。気分的には音楽聴き始めたあたりが、一番乗ってた気がする。あとは朝ごはんが消化されて、ちょっと体が軽く感じはじめたってこともある。最近空腹で走ることに慣れすぎてるせいか、胃に何か残ってる状態よりも、空っぽの時の方が順調に走れるように感じる。

音楽は3・4周目でオン、5周目でオフ、6・7周目で再びオンとした。少しずつ工夫しながら、気分が変わるように心がける。7周目を終わったところで残りは7km強のはず。こうなればその時の余力から換算して、ゴールまでの道すじが見えてくる。そこまでペース落ちずに完走まで走り続けられそうだ。

問題の8周目。ここでコースの認識を間違えた。正しくは8周目までは周回を続けることになってる。ただコース終盤に迂回の案内があって、「最後の周回はここで右折」っていう表示がされてた。それを何度も見てて、「8周目で迂回するんだ」って思っちゃったようだ。本当はコースの序盤にショートカットの部分があったようで、9周目はそこを通った上で、最後だけ迂回するってのが正しいコース。それが全く頭に入ってなかったし、8周も走ったのに、そのショートカットの案内は見た記憶がなかった。レース前によく見とくべきだったし、スタート前のアナウンスとかもしっかり聞いとくべきだった。

迂回コースが案外短かったんで、「あれっ」とは思ったけど、ゴール過ぎると、ふっと力が抜けていく。しかも悪いことにランキーパーのアプリのロックを解いて見ると、距離が「41.9km」になってる。誤差はあるけれど、これで完走したんだろうなって気持ちがわく。首から完走メダルかけられて、それで完全にエンジンが切れた感じだ。この大会はその場での完走証の発行がない。それもまた不運なことで、間違える要素がいくつもあった。文句の一つも言いたいところではあるけれど、これは自分のミス。仕方ない。

英語で途中棄権のことを“DNF”っていう。“Do Not Finish”の略だ。今回の途中棄権は、“retire”でも、“drop out”でも、“give up"でもなく、まさに“do not finish”だ。余力はあったし、最後まで走り続けられていた。それでもフィニッシュだけができなかったってところ。悔しさもひとしおだ。

もちろんレース直後はそれに気付いてなかったけど、「いいのかな」感はあって、ふらふらと会場を彷徨ってた。どうやら気が動転してたようで、かけてたサングラスをなくしてて、それにまったく気づいてなかった。大橋夫妻にもらったやつだったのに。惜しいことしたな。本格的にゴールしてないことがわかったのは、会場をあとにしてから。もうそうなっちゃったら、どうしようもない。


そんな訳でレース後はまだ完走した気分でもあったんで、フルの後の達成感を感じつつ帰り支度。駐車場で上半身裸になって、濡れタオルで体を拭いてた。その瞬間はすごく気持ちよかった。周りにも走った後と思しきランナーがいて、「お疲れ様でした」なんて声掛け合いながら、気分良くクールダウンしてた。

飛行機の時間までにはそんなに余裕はなくて、その前にガソリンスタンド行って、レンタカー返して、って手続きがあったんだけど、なんてったって食事をしたい。フルの後って食欲あるときとない時がある。胃の調子はどうだろう? 絶好調だ。じゃあ、腹一杯食って帰ろう。

そんな訳で事前に調べていたガッツリ系のメシ屋に行ってきた。空港の近くにある常盤公園の脇、「お菊さん」ていう店だ。焼肉と定食を出してる店で、定食の方を選んだ。店の子供らしい小学生の女の子がテーブル席でお絵描きしてて、自分の姿を見ると「こんにちは」って迎えてくれる。ウェブサイトで見た「わらじかつ定食」ってのが名物らしかったんで、それをオーダー。お店ガラガラなんで、すぐに出てくると思ってたら、なかなか出てこない。後ろの時間決まってるんで、やきもきしながら20分くらい待った後、ようやく出てきた料理見てびっくり。鶏ももの一枚肉のカツが4枚分山盛りになってる、めちゃくちゃなボリュームメニュー。おそらく肉だけで1kgはあろうっていう量だ。しかもそこにプラスして野菜天ぷら盛り合わせ、たこ焼き入った明石焼風スープとかも入ってる。これで980円かい。『こりゃ、食えねえな』っていう第一印象で、「うわっ!」って声出してた。それ聞いて、店員さんが「食べられなかったら、持ち帰りできますんで」って言ってくれたりもした。ところが、これをぺろっと食べてましたね。よっぽど体が栄養を必要としてたんだろうな。そして、もちろん美味しかったってこともある。急いで食う必要もあったんでホントにぺろっと食った感覚だ。自分でもこんなに食うとは思ってなかったんで、食べ切れたことにとても満足してる。フルは完走できなかったけど、ここの大盛りメニューを完食できたことは、せめてもの救いだ。救いになんないか。


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無事に飛行機の時間には間に合って、苦もなく東京へと戻れた。

17時過ぎには家に帰ってた。ハナマサに買い物行って、夕飯食って、洗濯して、風呂入って寝る。明日は普通に出勤だ。


悔しい思いを経験する1日になった。そんな中でもポジティブなことを見つけよう。それなりにあったはず。

周回コースのフルで、ペースを落とさず「ほぼ」完走できたこと。

ネットタイムで3時間2分台で「ほぼ」走り切り、今シーズンの初めてのレースとしては上々のスタートが切れたこと。

全都道府県ランの山口県が増やせたこと。そしてフルを「ほぼ」完走したにも関わらず、ものすごく余力があるほどタフになれていること。

そんなところだ。そう考えれば、収穫は少なからずあった。この経験を糧にしていこう。


次のレースで一番大事なこと、「まずはコースをちゃんと確認する。」

 
 
 

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