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200810 長野

  • 執筆者の写真: 光太郎 笠原
    光太郎 笠原
  • 2020年8月18日
  • 読了時間: 7分

久々に遠征してランニングした。長野県軽井沢町。

コロナ感染拡大防止と、Go Toキャンペーンの狭間で、旅行に行ってもいいか、自重すべきか悩んだ。前日に長野県と軽井沢町のウェブサイトを確認。「感染防止対策を十分にしたうえで是非お越しください」とのこと。「よし、行こう。」

もともと去年10月に「軽井沢マラソン」にエントリーしてた。ところが台風の影響で中止。思えば大会中止の連鎖はこの大会からはじまった。ただ景品のダークグリーンのTシャツは届いて、普段のランニングの時に使うのに重宝してた。それを着て今日走ることにする。

例年8月にロングランはできない。どんなランナーも暑さは大敵だと思うけど、自分は特に苦手意識が強い。去年までは10km走るのでさえ、やっとのこと。20km走るなんて発

想もなかった。それでも月間300kmは走ってたから、頑張って回数を稼いだんだろう。今年は8月まで梅雨が長引いて、暑さのピークが遅かった。特に朝はそこまで気温が上がらず、7月は熱帯夜もほとんどなかった。8月に入り、ようやく最低気温25℃越えの日も出てきたけれど、なんだか今年は去年よりも走れてる感じがする。理由のひとつはペースを上げていないこと。去年までは真夏でも4:30台で毎日走ってたから、途中から汗のかきかたが尋常じゃない感じになる。必然的に後半脱水状態になるんで、体への負担も大きくなってた。今年はそこまで無理をしていない。平日は5:30くらいまでペース落としてる。この時期はこれで充分。毎日ヘトヘトに消耗することがないんで、比較的ラクにランをこなせてる。

そんな訳で、一昨日は20km走った。皇居外苑を走るコースだ。先週の土曜日にも21km走った。ここまで9日間で110km近く走ってる。いいペースだ。今日、東京は最低気温27℃の不快な朝を迎えたけど、自分は避暑地へ行って、快適にランをするつもりだ。思えば昨日はもともと東京オリンピックでマラソン競技が行われる予定だった日。東京都心の最高気温は35℃。今日も同じくらい上がってるようだ。軽井沢は最高でも30℃前後。この5℃の差でだいぶ感覚が違う。オリンピック延期の件は残念だけど、少なくとも昨日東京でマラソンをしなかったことは正解だったと思う。


上野で始発の北陸新幹線へ乗る。お盆時期だけど、人はまばら。軽井沢まではちょうど1時間だ。

車中読んでた本は、クリストファー・マクドゥーガル著の「BORN TO RUN 走るために生まれた」(NHK出版)。ウルトラランナーとメキシコの少数民族タウラマラ族が競うレースについてを描いたルポルタージュ。すごく読み応えのある内容だ。最近はランニング関連の本を立て続けに読んでる。マーク・ローランズ「哲学者が走る」、ディーン・カーナゼス「ウルトラマラソンマン」。ランニング系の本を読んでると日々のモチベーション向上にとっていい。

「人は年をとるから走ることをやめるのではない。走ることをやめるから年をとるのだ。」(「BORN TO RUN」P345より)

こういう日々のランを後押ししてくれる箴言に出会えると、うれしくなる。

ランニングには関係ないけど、コロナ自粛期間中に「カラマーゾフの兄弟」も読破した。こういう時期じゃないと、なかなか時間取れず読めないような大作。読めてよかったと思ってる。ランニングと読書によって、最近の生活が回ってる。理想的な晴耕雨読の日々だ。


軽井沢駅に降りると、なんとも涼しい風が吹き抜ける。これならいいランできそうだ。

軽井沢の街の印象は、典型的な山岳地帯の観光地ってところ。自分が今までに走ったところの中で印象が似てるのは日光かな。駅を出て、北へ向かうメインストリートがあって、その先に繁華街がある。軽井沢銀座商店街だ。まずはそこへ向かう。まだ人通りはまばら。


商店街の入り口で左へ折れる道があり、しばらく進んだ後、今度は西へ向かう。そこが「旧ゴルフ通り」っていう通り。今日走った中では、このあたりが一番気持ちいいところ。何がいいって、両脇にそびえる高い木の間を、延々と走れる林道になっているところがいい。もともと涼しいところではあるんだろうけど、それにも増して一層涼しさを体感できる道。いつまでも走っていたい感覚だった。


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気温はそこまで高くないけど、日なたにくるとやっぱり暑い。南北へ向かう道は東側に影ができるからいい。林道ももちろんいい。ただ東西に向かう幹線道路は日陰になるところがないんで辛い。中軽井沢の観光地の方へ向かうのに、線路沿いの道を通るんだけど、ここはずっと辛い道のりだった。湯川っていう小さな川のあたりで西の方向を見ると、大きな山が見えた。何の山かななんて考えつつ、頂上の近くを見ると赤い噴火口が見える。「ああ、富士山か。」北側から富士山見た記憶ってなかったんで、形に違和感があった。そして「宝永の噴火口」を肉眼で見るのも多分初めて。いろんな発見があるもんだ。


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中軽井沢の駅のところで折れて、再び北へ向かう。しばらく行くと「ハルニレテラス」っていう商業施設がある。観光地にありがちなおしゃれなショッピングモール。朝からカフェでモーニング食べてる家族連れがたくさんいた。こういうとこに来ると軽井沢に来たなって感じが味わえる。そのすぐ先で折り返して山道を登ると、リゾート施設が林立してるところがある。ホテル、教会、キャンプ場、コテージなんかがあり、特に軽井沢高原教会ってところは、すごくいいロケーションで写真撮影スポットになってるようだ。近くまで行ってみた。後で調べるとそれなりに由緒ある教会のようだけど、なんだか人工的な美しさを感じたし、商業的なニオイを感じた。おそらく夜はライトアップされたりするから、キレイなんだろうな。朝のその時間は静けさに包まれてた。カギかっこつきの「ステキ」なところ。そんなに心が揺り動かされるところではなかった。


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一応それで目的にしてたスポットは回れたんで、あとは軽井沢駅に戻るコース。どんどん日が昇って気温上昇。そしてまた東西に伸びる大きな幹線道路沿いを走る終盤戦。かなり暑くて、これなら東京で走るのと変わらなかったかも、なんて思いもよぎったけど、まあ贅沢は言えない。前半で避暑地ランを堪能できたんだからいいじゃない。駅に戻ったところでちょうど15kmの道のり。長すぎもせず、短すぎもせず、いい距離だったんじゃないかと思う。


走り終えたのが9時半くらいだったし、一息つくとすでに10時くらい。朝ごはんには遅い時間だ。それでもせっかく軽井沢来たからにはなんか食べていかないともったいない。事前に調べてたお店には寄ってみた。

まず向かったのは「ベーカリー&レストラン沢村」。地元でも有名なパン屋さん。そこでツナとアボカドのサンドイッチを食べた。朝からほとんど何も食べてないんで、もちろん美味しい。木陰のベンチ席で食べた。そのロケーションもまた良かった。まずこれでひとまずハラが落ち着いた。

立て続けにランチのお店へ行った。「アトリエ・ド・フロマージュ」っていうレストラン、チーズ料理が美味しいそうだ。11時開店ていう情報だったんで、それに合わせて行ったんだけど、実際には11時半からだった。ただ11時の時点ですでに5組くらい先に並んでて、自分もその列に加わった。炎天下30分待つのは辛かったけど、開店後の一巡目で店入れたんで良かったとしよう。注文したのはサラダとチーズカレードリアのセット、デザートにベイクドチーズケーキも頼んだ。チーズ好きの自分にはたまらないメニュー。カレードリアは家でも作るけど、やっぱり店で食うと美味しい。この店を選んで間違いなかった。


お昼を食べたところで東京戻っても良かったけど、まだ灼熱の都心には戻りたくなかったんで、しばらくここで過ごすことにした。ただ、午後になると人がより増えてくる。軽井沢銀座の方へ再び歩いていくと、どこもお店はいっぱい。これじゃゆっくりできそうにない。駅の方へ戻り、アウトレットモールに行く。案の定ここも人でいっぱい。旅行控えしてる人が多いのかな、なんて思ってたけど、そうでもないようだ。かろうじて空席のあるカフェがあったんで、そこでコーヒー飲みつつ、本読んで過ごす。結局軽井沢には15時くらいまで居て、東京戻ったのは16時すぎ。少しは暑さも和らいでる時間だったんで、ちょうどいいサイズの日帰り旅行ができた。


まだおおっぴらに旅行ができるような状況じゃないけど、やっぱり行くと有意義な時間が過ごせる。

今日だって走った時間以外は特に何をしたって訳ではないけど、軽井沢の街を走れたことで気持ちとしてはすごく満たされてる。知らない場所、知らない街を走ることは、(レベルの差こそあれ)ちょっとした冒険になる。冒険はいつだってワクワクするもの。しかもそれが走るのにコンディションのいい場所だと、より爽快な気持ちになれる。今日ここに来た事は、間違いなく自分にとってはいい選択だった。

早く大手を振っていろんなところに行ける状況が戻ってきてくれるといい。

 
 
 

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