200103(190224) 静岡
- 光太郎 笠原

- 2020年3月15日
- 読了時間: 5分
2020年の初遠征ランは静岡の熱海にした。小田原の家から車で1時間程度。気軽に行ってこれる距離だ。
熱海は山だ。ビーチや港がある一帯だけ平坦だけど、後は山。この傾斜がいい景観を生み出していて、観光地としてはいいんだろうけど、ランナーとしてはきつい。お宮の松とか、朝日をバックにした港の写真は撮りやすかったけど、熱海城まで登って撮った写真は一苦労。まあいろいろ観光がてら回れたんで、よしとしよう。箱根駅伝があるんで、すぐには家戻らず、熱海の海が一望できるジョナサンで一服して、この文章を書いてから帰ることにする。

静岡で走るのは多分2回目。1回目は2019年の静岡マラソンだ。以下は19年2月24日の話、日記を元に記憶を辿って書いてみた。
19年の年末に、CBマラソン部で集まった時の話題として、「良かった大会はどこか?」っていうのがあった。その時自分の頭に浮かんだのが、この大会。3:18:35で当時のPBを出した大会でもある。その印象もあったし、大会自体の雰囲気もあったし、全てがすごくいい思い出として記憶に残ってる。
当日は小田原の実家から会場へ向かった。小田原から新幹線だと、静岡まであっという間だ。駿河城公園が集合場所。予報では日中の気温が12~13度まで上がるとのことだったんで、レースは半袖のTシャツで臨むことにした。ただ朝の時点ではかなり寒くて、スタート前にダウンコート脱いで預けるタイミングを極力遅くしようと、ギリギリまで引っ張ってからレース臨んだ。風がないのはせめてもの救いだ。スタート地点は市役所の前。ランナーの数が多くて、思ったより大きい規模の大会なんだなって印象だ。
大きな不安材料だったのは、足裏の痛みだ。2週間前くらいからずっと痛みがあって、そのうち治るだろうと思ってたんだけど、結局当日も痛いまま。レース前に軽く走ってみたら、結構痛い。良化はなく悪化してるくらいの感じだ。こりゃリタイアもあるぞっていう覚悟を持ってスタートした。
スタート直後のコースが広かったんで、前半から思い通りのペースで行けた。2~3kmのあたりで足裏の痛みが消えないまでも和らいでいる感覚があった。実はここ最近も、走る前痛くても、走ってる最中に痛みは和らぐっていう感じだったんで、今回もその感覚通りにほぐれていったんだろう。これならしばらくは走れると、気分的にラクになった。有名人ランナーとも遭遇。静岡が地元の勝俣州和さんとか、マラソンタレントとしてメディア出てる西谷綾子さんとかだ。西谷さんはハイタッチもできたんで、嬉しかった。
6~10kmは上り基調だったそうだけど、順調に走れたんで、まったく勾配は気にならなかった。再度、スタート地点に近い静岡駅の周辺に戻ると、道が広々としてて快調に走れる。そっから南下していく道も順調に進んでいけた。体重を2kg弱落として臨んだのも、いい方向に作用したように思う。普段と同じ感覚で走っても、1kmで10秒ちょい速く走れてた。やっぱり軽い方が動けるもんだ。そのまま20kmまで進むと、今度は海岸線をひたすら東へ向かうコース。ここは平坦なんで、走るのはラクだ。この方角に走ると、左手奥に富士山が見える。そう静岡と言えば富士山。この大会の推しでもあるところの富士山。それが視界に入ってくると「静岡走ってるなあ」って気分が実感できるし、気持ちも昂ってくる。序盤ではなく、中盤以降に出てくるってのが、後半のモチベーション保つ上でもありがたいところだ。ただ、風が向かい風になったんで、それが難しいところではあった。救いになったのは、自分と同じペースで安定したフォームで走っているランナーを前方に見つけたこと。その方のあとに付いてひたすら走ることにした。風よけにもなってくれたし、ペースも守って行けた。結局10km近く、その人にコバンザメのように付いて走らせてもらった。顔も名前もわかんないけど、だいぶ助かったんで感謝したい。
30kmを超えて、疲労感も足の痛みもそこそこで、「なんとか最後まで持つかな」って気持ちが沸き始めた。ただその感じはこれまでのマラソンでも同じ。直近の勝田マラソンの時も持った感覚で、その時には35km過ぎたところで、急に疲労が襲ってきて、バテた記憶があった。今回は気を抜かず、慎重に進んでいった。35kmあたりで高速道路の折り返しがあり、あと7kmになったところで、「ああ今度こそ大丈夫だ」っていう気持ち持てた。7kmは普段ミニマムで走る距離。その時の余力を考えれば、「これなら持つぞ」っていう自信があった。こういう精神的な自信は、まず間違いなくポジティブな結果につながる。最後は海沿いから北上して清水駅へと続く道。ここも正直ラクではなかった。38~39kmの地点は、ホントにくじけそうになったけど、あとでラップタイム見直してもペースは落ちていない。自分としてはたいしたもんだと自負している。40km過ぎたところで、3時間11分台だった。「このまま行けば20分切れる」って見込みが立ったんで、そこからの2kmは比較的ラクに走れた。ここでもメンタル面での自信がいい方向に作用した。最後は清水駅の前がフィニッシュライン。最後までバテることなく走り切ることができた。
今回は余裕とまでは行かないけれど、まだ少しは余力あるような感じでゴールできた。タイムもすぐに確認、PB出せたことを確認できたんで、格別な気持ち良さだった。レース後は寝っ転がって休息、日差しもあって暖かかったんで、いい気分で日光浴してた。清水駅の周りで、いろんなブース出てて、お祭り騒ぎだったけど、自分は静岡駅に移動して、静かにお祝いランチ。照り焼きチキンの定食食って、エネルギー充填した。静岡から東京の家に直接帰った。夜はお土産に買ってきた「静岡おでん」をつまみながらTVで大河ドラマ「いだてん」を見た。日本人初のオリンピック選手として、日本を旅立つ三島。それまで味方していなかった彼の母が、出立に際し、考えをあらため、応援の品を揃えて、門出を祝うっていうシーンがあった。それを今日の自分に重ねあわせて、なんだか涙が出てきた。別にうちの母親はマラソン出場に反対してた訳ではないけどね。
PB出ると気持ちがいい。この感覚を味わいたくて、また練習を繰り返して上を目指すんだろうな。これが今の生きがいなんだろうな。そんな風に思う。
静岡マラソン2019 距離42.195km 時間3:18:35 1,516位/10,685人中




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