191231(180128) 千葉
- 光太郎 笠原

- 2020年3月15日
- 読了時間: 7分
更新日:2024年6月8日
2019年の最後に選んだのは、千葉県柏駅スタートで手賀沼を走るコース。別に何の歳末感もない土地、思い入れもない場所だけど、マップを見てて「今日行こう」と思っちゃったんで来てみた。意外と手賀沼、広かった。10km強でおさまるかと思ってたけど、走ってみると13km強走ってた。言っても1周はしていない。途中の橋で折り返して、半周程度だ。東側は幹線道路沿い、西側はサイクリングもランニングもできるコースになってる。景色がいいってほどではないけれど、平坦で、常に水回りを走るんで、練習にはぴったりだ。家から近いし、それなりに気に入った。ランのあとに入った、駅前のガストも空いてたし(大晦日だからかも)、また来るかもしれない。

2019年もよく走った。年々ランの回数も距離も伸びてきている。ランニング中毒になりつつあるって実感がある。
2019年の総ラン数266、総距離3,364km、5~12月の8ヶ月連続で月間300kmを達成。湘南国際ではサブ3にも手が届いた。もう一つの目標でもある、「一日の平均歩数20,000歩以上」も達成した。そして、本格的に遠征ランの企画を始めたのも今年。そういう意味ではランニング生活において、ターニングポイントになるような一年だった。
はじめて泊まりがけで遠征ランしたのが2018年の館山若潮マラソン。その時の話を書こうと思う。
2018/1/27
はじめての遠征マラソン、前泊で館山に入ることにした。東京駅から鈍行で向かう。まあ館山は遠くて、3時間かかる。地の果てまで来たような感覚だ。駅前からビーチの方へ行ってみて、街の雰囲気を観察。印象としては南国のイメージだ。ただ時期は真冬、やっぱり寒いは寒い。南総文化ホールってとこまで歩いて移動、前日受付を済ませた。近くにあるコーヒーショップに立ち寄ってコーヒー飲んだ。マスターに「館山でおいしいものなんですか?」って聞いたら、「(うちの)コーヒーです」って。いい返しだ。「マラソン、頑張ってください」とも言われて、嬉しく思った。こういう交流は、旅ならではで、いいもんだ。宿は「清風荘」っていう旅館。駅からバスで20分くらいのとこにある。昔ながらの家族経営の旅館ていう感じ。部屋は一人ではもったいないくらいの広さ。和室で、しっぽりした趣きのあるところだ。風呂もトイレも洗面所も共有、合宿所みたいなイメージだ。おかみさんは人当たりのいい人。夕飯どうするかって聞かれたんで、「軽くでいいですよ」って言ったんだけど、エラい豪勢なメニューで出してくれた。刺身と魚の焼き物と煮物と豚肉入りの鍋料理が出て、デザートにはフルーツ数種類といちご大福までついてた。館山は、温暖で海が近くて、とにかく食べ物が豊富なところなんで、お客さん相手にはたくさん料理をふるまうっていうおもてなし文化が根付いてるようだ。ありがたくすべてご馳走になった。心意気がうれしいもんだ。館山の夜を楽しむってこともなく、明日に備えて、早めに就寝。
2018/1/28
大会当日。早めに寝ることにも無事成功。6時にはばっちり目が醒めた。昨日の夕飯に続いて、朝食もまた豪勢に揃えてくれたんで、美味しくいただいた。感じのいいおかみさんとあいさつ交わし、無口だけど実直そうな旦那さんに車で会場まで送ってもらった。そこで同乗したのが、上村さんていうおじさん。年齢は自分よりやや上くらい。車中会話が弾んだ。去年も同じとこに泊まったそうで、二年続けて館山に参加するそうだ。新潟から遠征で来たとのこと。「昨日、雪かきしてからここに来ました。」って言ってた。雪国のランナーは冬場が大変、なんせ外では走りたくても走れない。その時期は体育館の中の短いランニングコースを延々と周回して練習するそうだ。寒い地域はそういう苦労もあるんだなって、はじめてわかった。会場に着くと、お互いにエールを交わしあってから別れた。
村田さんが同じ大会に出ることになってた。連絡取り合い、自分よりややあとに到着して、合流できた。村田さんは家族で会場に来てたんで、奥さんと娘さんともはじめてあいさつ。奥さんがまた感じのいい人、社交的で明るくて知性的でもあった。少し話しただけですぐに好意を持てるような女性だった。娘さんの菜々子ちゃんはシャイな女の子、この子もまた可愛らしかった。村田さんともエールを交わしあってから別れ、スタート地点へ向かった。スタート地点では、偶然KPの内藤さんとも遭遇。スタート前の時間を雑談して過ごした。内藤さんはこの大会、何度目かの出場だそうだ。スタート前、いろんな人と話せたんで、だいぶ落ち着いてレース迎えられたのはすごく良かった。

気候のコンディションはめっちゃ良かった。気温低め、日差し弱い、無風。しばらく走ると軽く汗ばむくらいで、走りやすかった。序盤だけ、前がつまるところもあったけど、その後は集団もばらけて、自分のペースで走れた。そんなに飛ばしてる感覚なかったけど、キロ5分前後で快調に走っていく。結構アップダウンあるコースで、後半が心配だったけど、前半はとても順調に進めた。20km手前の平坦な道で、脇に菜の花が咲いててそれ見ながら走ったところが、今日イチで気持ちよかったところ。館山いいところだなって思いつつ走ってた。
前泊してた「清風荘」すぎて、しばらく行くと、山道に入っていく。ここがレースのポイントになる急勾配。28km過ぎの急坂は、まっすぐ登る道。常に前が見えて、しかも頂上が見えないのは、とってもしんどい。逆に、30km過ぎの坂は、常にカーブがあって、どこまで続くかまったくわからず、それはそれでしんどい。要はどんな坂でもランナーにとってはしんどいってことだ。ここもなんとかそこまでペース落とさず上りきれた。
それを抜けると、32kmの標識を過ぎるんで、「あと10km」っていう感覚持てて、いくらか楽になる。走ってるうちに「3時間45分」のペースランナーを抜けたんで、「PB出せるかも」って気分もあがった。ただその後が実は辛いコース。大きなアップダウンは乗り越えたけど、小さいアップダウンはまだまだあって、それがすごくこたえる。35km過ぎてからの坂はホントに辛い。そこで明らかにペースが落ちた。せっかく抜いた3:45のペースランナーにも抜き返されて、気落ちしそうになった。それでも最後の3kmくらいはようやくフラットになるんで、救われた。キロ6分弱くらいまでは落ちたけど、なんとか止まらずに走り続けることができた。ゴール直前の橋の近くで、村田さんの奥さんと娘さんと遭遇。「頑張って!」って声かけてくれたのはとてもうれしかったし、元気が出た。知り合いからの応援はいつだって力になる。
結局グロスタイム3時間45分台でゴール。ネットタイムは3時間41分台だったんで、PB達成だ。この坂の多い難コースで記録更新できたんだから、よく頑張ったと思う。ゴール後の消耗もそこまで激しくなくて、気分良くクールダウン。その場ですぐ記録証を出してくれたのもうれしかった。レース後には村田さんと再会。彼は3時間31分台で先にゴールしたとのこと。内藤さんは後で聞いたら4時間前後で完走したそうだ。みんなそれぞれに力は出し切った。村田さんの奥さんの運転で館山駅の近くまで送ってもらった。レース後に差し入れもしてくれたし、いろいろ気遣ってもらった、感謝だ。
帰りは特急のチケット買ってて、その時間までしばらく余裕あったんで、駅前の喫茶店入って、カレー食べたりしてた。人心地ついた後で考えたのは、館山はすごくいい街だなっことと、この大会自体すごく良かったなってこと。特に人との関わりが多く持てたことがとても記憶残ってる。レース終わった後、荷物抱えて駅前歩いてたら、見知らぬおばあさんに、「マラソン走ってきたの?がんばったねえ」なんて声かけてもらったりして。なんか家族的な雰囲気が醸し出てる。レース中も、私設の給水所がたくさんあって、すごくよくしてもらったし。昨日の宿でのやりとりもそう。コーヒーショップのマスターとの会話もそう。この街での浸透度の高さみたいなものを感じた。また機会あれば出たいなっていう大会。欲を言えば、もう少しアップダウンがなくて、東京から近いといいのになって思うけど。

第38回 館山若潮マラソン 距離42.195km 時間3:41:48 2,839位/11,801人中



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